First Take__野口五郎

b0021712_15273030.jpg 前回に引き続いて、1970年代を代表するアイドル歌手である野口五郎氏が今回のテーマ。彼は私と同い年である。1971年に15歳という若さでレコードデビューを果たした天才アイドル歌手もすでに還暦を過ぎたジジイになってしまった。彼の代表曲は彼のお兄さんが作曲した「私鉄沿線」であるが、私はやはり筒美京平氏が作曲した「オレンジの雨」が彼の最高傑作だと思う。

 さてその野口五郎氏であるが、芸能界では屈指の凄腕ギタリストの一人として知られている。しかも、私と同様にフュージョン・ミュージックにドップリとはまってしまい、更にそのドハマリが高じて1982年にフュージョン系のギター・インストアルバムまで発表してしまうのである。それが、今回紹介するアルバム「First Take」。とても青春アイドル歌手の仕事とは思えないが、当時は「趣味的」アルバムを制作できるほどのスーパースターであったと言う事だろう。

 実は、個人的には昔から注目していたアルバムであったのだが、流石に大枚をはたいてまで買うほどの優先度ではなかった。しかし、ひょんな事からYutubeに上記のようにアップロードされている事を知り早速聴いてみたのである。参加ミュージシャンは渡嘉敷祐一 ( ds )、鈴木 茂 ( g )、岡沢 章 ( b )、矢島 賢 ( g )、富樫春生 ( key, synth )、浜口茂外也 ( perc )・・という面々で、当時としては「ドヒャー!!」レベルの超一流スタジオミュージシャン達である。

 ところが、サポートミュージシャンの中に鈴木茂、矢島賢という当時の超一流のスタジオ系ギタリストが二人も参加している事に違和感を感じた。凄腕ギタリスト野口氏のリーダアルバムなんだから、ギタリストは彼だけで良いではないか。彼ほどの凄腕ならば、大抵の事はできるはずだ。何もこの二人のサポートを受けなくても良いはずだ。オーバダビングだってできるし・・・。

 ・・・と違和感を感じながらアルバムを聴き込んでいったのだが、途中で直ぐにその理由がわかった。まさしく、ギター・インストアルバムだったのだ。つまり、超一流のスタジオミュージシャンの演奏をバックに、野口五郎氏がメインのメロディを歌うのではなくて「メインのメロディーをギターで弾く」という内容なのである。最初から最後まで野口五郎氏のギターがメロディを高らかに歌い上げているのだ。

 うーむ。それはマズイのではないですかね?残念ながらそんなの聴きたくないですわな。

 野口五郎氏は不本意だったのではないだろうか?・・と推測する。何故なら、1980年当時の彼の発言等を考慮すると、こんなコンセプトのアルバムを彼が制作するとは私にはどうしても思えないのである。私はキーボードなどのギター以外の楽器のソロもいっぱい出てくるような当時の普通のフュージョン・サウンドを期待したのだ。

 色々と大人の事情もあったのでしょうなあ。きっと、余り売る気もなかったのでは・・・。しかし、彼の才能を考えると個人的には凄くもったいない・・・と思う。このアルバムの後にも同様?の企画のギター・インストアルバムが制作されたらしい。どのような内容になったのか非常に気になるが、現時点ではそれを確認するのはかなり困難なようである。

[PR]
トラックバックURL : https://crossoverm.exblog.jp/tb/28163914
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by crossovermiddle | 2018-02-27 23:40 | 音楽全般 | Trackback

E-mail: bzfallvalley@gmail.com


by .
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30