2016年 11月 20日
Lonesome Crow__Scorpions
楽器演奏には手癖という非常に重要な要素がある。特に、エレキギター(ベースも含めて)系演奏の世界では、かなり重要な位置づけである。更に、ハードロック関連のエレキギター演奏においては、ある意味「手癖が全て」みたいなところがある。
手癖がポイントであり、手癖が個性になるのだ。「手癖が悪い」はかなり否定的な表現であるが、エレキギターを格好良く弾くためには、手癖は重要であり、アマチュアギタリストは自分なりの手癖が出るくらいに練習すべきなのだ。
私もかなり強烈な手癖がある。私は青春時代にフュージョンにはまってしまったので、結構左手の小指が自在に動かせるのである。Jazz演奏への憧れもあり、小指をかなり使う練習をしたのだ。
この小指を使ったフレーズが私の手癖の特徴で、人差し指、中指、薬指の3本だけを駆使する人とは少々異なったフレーズを弾く。
こうやって書くと、「何だかスゲー上手そうだなあ・・・」なんて思われしまいそうだが、実はそうではなくて逆に人差し指、中指、薬指、小指を単調に動かすクロマチックフレーズ(要は半音移動)ばかりになってしまうのだ。
ちょっと聞くと、何となくJazzっぽいのだが、全然だめである。Jazzスケールを全く練習しなかったので、クロマチックかつ高速にフレージングはされるのだが、俗に言うワンパターンフレーズになりガックリ来るのである。
手癖は極めて重要であるが、一方で超えるべき壁でもあるのだ。プロも手癖を活用はするが、活用の仕方が効率的で上手いのだ。このあたりのセンスはやはり才能なのだろう。
因みに、私はエレキベースを弾く際にも同様の状況で手癖が出る。ただし、ベースの場合はギターの手癖が意外に良い方向に働くようだ。個人的な感想だが…。
さて今回のテーマであるスコーピンオンズはドイツ生まれの老舗HRバンドである。私の青春時代には強烈なジャケットのアルバムを出して物議を醸したりしていた。
そして紹介するのが彼らのデビューアルバム「Lonesome Crow」である。このアルバムで10代の年齢でプロデビューをしたのが、今やロックギター野郎に神と崇められているマイケル・シェンカー大先生である。
大先生は相当に手がデカいらしく、手の小さい日本人にはちょっと無理っぽいフィンガリングで高速フレーズを繰り出すのだ。正に、手癖のお手本のような演奏である。手癖もこのように格好良くやれると飯が食えるようになるのである。20年ぶりくらいに聴いたが、シェンカー先生の演奏も結構荒いですなあ・・。
by crossovermiddle
| 2016-11-20 21:06
| 音楽全般