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In Concert__Eumir Deodate+

In Concert__Eumir Deodate+_b0021712_1326664.jpg 先日、『腎生検』という少々難儀な検査のため某大学病院に一週間ほど入院した。物心ついてから、初めての入院である。尿タンパク値が異常に高くなり、その原因が不明なため、『腎臓の組織を採取』して原因を探る必要が生じた・・というのが理由だ。

 人生における貴重な体験でもあり、また私と同年代の読者の皆さんも同じ運命になる可能性は十分あると思われるので、参考までに以下にレポートをしたいと思う。

パート1:『まあ、楽勝だな・・』

 某大学病院の受付に13:00に到着。大学病院までのバスを間違ってしまい、時間を大幅にロスする・・というアクシデントはあったが、手続きは粛々と完了。さすが、大学病院はシステマティックだなあ・・と感心しつつ病室に向かう。

 この病院の病室はグレード別に、個室タイプA→個室タイプB→差額ベット4人相部屋タイプ(約5,000円+)→通常4人相部屋タイプとなっている。私は、個室タイプBであった。当初は差額ベット4人相部屋タイプの予定だったのだが、そこに急遽予定外の人院があり、はじき出された私に相部屋価格で個室を使わせてくれる・・・ということになったらしい。

 これはラッキーである。病室は最上階で景色もバツグンであり、なんだか高級ホテルに宿泊しているような気分だ。しかも若い看護師さんが、『困ったことがあったら何でも言って下さいね!』なんて、優しく笑顔で言うものだから、すっかり極楽気分である。

 最初の検査は、少々心配していたCTスキャン検査。しかし、何の苦痛もなく終了。点滴で撮影剤を体内に注入するのだが、体が若干ポカポカするくらいで全く問題は無し。一番恐れていたのは胃カメラ検査の実施であるが結局実施せず。私は『胃カメラ検査恐怖症』なので、これでいっぺんに気が楽になった。

 18:00からの夕食も予想を大きく裏切りかなり美味。『こりゃあ、楽勝だな。へへへ・・』と、期せずして舞い込んだ休日を楽しむがごとくのルンルン気分で21:00に眠りについたのである。

パート2:『あのですね・・・、痛いんですけれど・・』 

 入院2日目も気分良く6:00に起床。シャワーを浴び、夕食同様に美味な朝食を食べ、後は病院内に併設している本屋で購入した文庫本を読みながら検査を待つ。なにせ、『胃カメラ検査』を回避できたのだから、もう怖いもの無しである。『入院までして、全く大袈裟だよなあ・・』なんてつぶやきながら、ひたすら検査時間を待つ。

 そしていよいよ12:30に検査開始。まずは点滴をセット。『何で、点滴されるの?』と聞くと、明日の昼までずーっと、この状態とのこと。ここで、少々不安がよぎる。しばらくの間ベットに横たわっていると、検査担当の医師が登場。『大体、1時間くらいで終了しますから、頑張って下さいね』とか言われる。

 1時間? 10分の間違いじゃないの?頑張るって、何を頑張るの? と、不安が更に大きくなる。言われるままにうつ伏せとなり、そのままの姿勢で待機。その後、アシスタントスタッフ2名と共に、超音波エコー装置が搬入されるが、ここでアクシデント発生。装置のプローブと称するアタッチメントが認識されない・・らしい。

 何だかハードディスクが認識されない・・みたいなことのようだ。こっちはうつ伏せのままなので詳細が良く把握できない。担当の医師は『変だなあ・・。こうかな?あれ、動かないなあ・・。こうかな・・(ボキ!)。・・・あれ!まずい。ちょっと、これまずくない?うーん、代わりの取りに行ってくれない?』・・みたいな事を言うのである。

 オイオイ、大丈夫かよ?・・・と更に不安は高まる一方である。そうこうしているうちに、プローブとかいうのもどうやら認識されたらしく(何だかなあ・・)、いよいよ検査開始かと思ったら、なんと着替えと消毒を開始する・・と言うのだ。

 おもむろに着替え始めた彼らの作業着は、あのブルーの手術着そのもの。たかが検査なのに、貴殿達の服装は一体何なのですか? 大袈裟過ぎやしませんか? 冗談はやめてください・・。

 不安はグングンと高まる。加えて、消毒作業に合わせて、私の上には次々に布が被せられるのだ。しかも、その布は腎臓の部分だけが開いているのである。何なんだ・・。これではほとんど外科手術ではないか・・・。

 この段階で不安は一気に恐怖に変化する。脈拍数は上がり始め、呼吸も荒くなってくる。『さあ、始めましょう!!』と医者は明るく言うが、こちらは既にビビり切ったオッサン状態と化している。もう、全身に無駄な力が入りまくりである。このまま、ゴルフのティーショットしたら、確実にOBであろう。

 最初に麻酔注射を打たれる。チクとはしたがそれほど痛くない。良かった。助かった。神様ありがとう・・と思ったのも束の間。第二弾の麻酔注射を打たれる。第二弾は第一弾とは全く違う感触であった。何だか太く尖った物が、背中からズンズン挿入されてゆく。何とも表現できない不気味な痛みを伴う感触である。

 これはマズイ・・・と思った瞬間、明らかに腎臓近傍にこれまでの人生で経験したことがない類いの痛みが走る。『あのですね・・、痛いんですけれど・・』と心で叫ぶ。これはマズイぞ・・・。情けないことに、既に半泣き状態である。

 どうやら、麻酔注射は第二弾までのようで、いよいよ腎臓組織の採取である。採取方法は石油掘削のパイロットボーリングのようなイメージであろうと、勝手に想像していた。したがって、麻酔注射であの騒ぎなのだから、どんなことになるのか?この時点で、既にビビり切りの全泣き状態である。全身に力は入りまくり、じっとりと汗が出始める。

 医者は超音波エコー装置を駆使して、掘削位置を探索している。彼の『うーむ。深いなあ。やっかいだなあ』の一言で、私は数分後の自分の運命を瞬時に悟った。医者は、『じゃあ、挿入しましょう・・・』とスタッフに言うと、どうやら採取機器を私の背中に挿入している(らしい)。

 もう、アワワワワワ・・・状態である。息が苦しい。医者は『ウーム。深いな。もう一回だな』と言う。そうですか?もう一回ですか・・・。やさしく、お願い。痛くしないでね・・・、先生。・・・先生、先生、それは先生ぇぇぇ。もう、ヤケクソである。

 結局、この作業が計6回繰り返された。私の背中の皮下脂肪が厚いらしく、通常より採取が難しかった・・というのが原因である。事前に言ってくれれば、しっかりとダイエットして絞った体で検査を受けたのに、まさに後の祭りである。採取作業終了時には、既にヨレヨレで息も絶え絶え。

 ちなみに、最長掘削距離は約12cmとのこと。これを聞いた瞬間に失神しそうになる。

 まだ、何かされるはずだ・・・とすっかり疑心暗鬼になっていた私だが、幸いにして作業はこれで完全に完了したようで、医者達は既に撤退作業を開始していた。撤退は驚く程、早かった。傷口まわりにテープをベタベタ張られて仰向けの状態となり、採取作業は終了となった。

パート3:『・・・横を向けるなら、死んでも良い』

 茫然自失のまま天井を見つめていたが、徐々に安堵感が芽生えてきた。何とか助かった。あとはひたすら寝て、この恐怖体験を忘れ去るのだ・・とばかり、必死に寝ようとするのだが、昨夜はリゾート・ルンルン気分で惰眠を貪ったせいで、全く眠くならない。

 そうこうしているうちに、徐々に背中と腰が痛くなってくる。何せ、寝返りどころか、横を向くことさえ禁止状態である。これは、キツイ。眠りたい・・、でも眠れない・・状態と格闘すること4時間半。やっと、18:00に夕食である。既に、背中、腰は耐えられない程痛い。夕食時には30度程度ベットを起こすことが許可される。

 しかし、ほとんど焼け石に水である。必死の形相で夕食を食べる。美味なのが唯一の救いだ。

 夕食後、またひたすら仰向け状態で背中、腰の痛みと闘う。つらい。本当につらいっすよ。これ。しかも、1/100の速度で進行しているのではないか?と思われるくらい時間の進みが遅い。痛い。『・・横向けるなら、死んでも良い』と思わず心で叫ぶ。そして、この状態が翌朝6時まで続いたのである。

・・・とここまで書いてきて疲れた。後半は次回とする。後半も苦難の連続なのである。

 さて本来のレコード紹介を忘れてはいけない。仰向けの苦難の時間を忘れさせてくれたのが、iPhone5と音楽だ。やはり、音楽はいいなあ。今回御紹介するのは、この際に久し振りに聴いたデオダートのライブアルバム。購入は1978年。

 アイアート・モレーラのライブとゴチャゴチャになっていて、購入した当時も何だか良くわからなかった。このアルバムにも収録されているSpirit of summerが素晴らしい。

by crossovermiddle | 2012-11-25 15:59 | 音楽全般

E-mail: bzfallvalley@gmail.com


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